日本製ゴム張り手袋と言えばアトム(株)製

アトム「ゴム張りG」01

前々回に引き続いて作業用手袋(軍手)の話。

すべり止め性能を持った手袋を必要とされる業種で、現在もっとも多く市場に出回り、かつ実際に多く使用されている作業用手袋は「ビニボツ(勝星株式会社製の登録商標)」タイプと呼ばれるものと、今回紹介するゴム張りタイプの2種だ。

専門的に言うと、「ビニボツタイプ」のすべり止め部分の素材は塩化ビニールであり、前々回に紹介した福徳産業(株)製手袋のすべり止め部分は天然ゴムなのだが、大別すれば福徳産業(株)製のタイプもビニボツ系に含まれる。
木綿あるいは化繊のメリヤス手袋の手のひら側に点状あるいはもう少し大きいパターンのすべり止めを付けたものがこれにあたる。

一方、今回紹介するアトム株式会社の代表的製品である「ゴム張り」タイプの手袋というのは、手のひら側全面にゴムを張り付けたタイプで、ビニボツタイプよりも耐久性はかなり高く重作業向きであるが、当然のことながら繊細さを要求されるような作業には向かない。

アトム「ゴム張りG」03

この「ゴム張り」タイプの手袋を製造するメーカーの代表格と言えば広島県竹原市に本社を置く「アトム株式会社」である。

アトム株式会社の公式HPはこちら
   ↓
http://www.atom-glove.co.jp/index.html

アトム株式会社の作業用手袋も、今では日本製だけでなく、かなりの割合で海外製が多くなった。
タイ製が多いが中にはシナ(CHINA)製もあるので、ぜひ御注意を(かなり以前の話だが、某大型ホームセンターでアトムの社名がパッケージに入った「超お買い得」と銘打った10双組のゴム張り手袋が売っており、なんと朝鮮半島南部での製造品だったのを見たことがある)。

ここではわずかになってしまったがアトム製の日本製ゴム張り手袋を紹介する。
上の2枚の画像は「ゴム張りG」(#122-G)という製品で、同社のゴム張りタイプの中でも最高の高耐久性を誇るもの。

アトム「ゴム張りG」02

このタイプは現在かろうじて日本国内生産されている。
貼られているゴムシートも強力タイプで親指と人差し指の間や指先を二重張りにしたり、また手の甲側を糊加工することで全体の強度をこれでもかというくらいに強化している。

アトム「ゴム張りG」04

この「背面のり加工」というのが、実はこのタイプを使用したことのある人にはわかるが、一長一短(好き嫌い?)な仕様であって、確かに耐久性はアップするし、相対的には糊加工しないものより汚れも付きにくいのだが、通気性が妨げられるため、「蒸れる」のである。
「蒸れる」=「臭くなりやすい」
のであって、そんな現場の声があるからか、アトムでは抗菌防臭機能を付加したタイプも作っている。

アトム「クロベエ」01

上写真は私も職場で使用している「クロベエ」(#122-GX)で、アトムでは色違いの「アカベエ」(#122-GR)や「アオベエ」(#122-GB)も出している。
前述の「ゴム張りG」(#122-G)よりも更に抗菌防臭加工が上らしく、化粧品にも使用されているような抗菌剤を採用している。
ただし、この「クロベエ」は大筋では「ゴム張りG」と同じで・・・

アトム「クロベエ」03

ゴム張りの補強の仕様もほぼ同じである。

アトム「クロベエ」04

「背面のり加工」は↑の写真がわかりやすい。
手の甲側も光沢があるのがわかると思うが、手袋の耐久性を高める目的と、おそらくすべり止めゴムの接着力を上げる目的でベースの手袋にこのような樹脂加工がされているのだ。
この「クロベエ」も「ゴム張りG」同様に、このような背面のり加工がされているので、通気性にはちょっと難はあるが、作業用手袋としての強力さは最高と言われる「ゴム張りG」と比較しても遜色ない。

アトム「クロベエ」02

この「クロベエ」(#122-GX)も現在1双で袋入り販売されているものはかろうじて日本製だ。
しかし、おそらくこの「クロベエ」に類するシリーズは広島県府中市にあるゴム張り手袋の元祖と言われる会社がOEM製造していたと思われ、そちらの工場が先月(平成26年2月)でゴム張り手袋関連の生産を終了してしまったことから、現在市場に流通している在庫が終わると、このシリーズの日本製は購入出来なくなるかもしれない。
現在でも既に3双入りパックなどのお徳用パックについてはタイ製だったりするので、購入時は注意した方が良いだろう。

上で紹介した二つのアトム製ゴム張り手袋は前述したような背面のり加工されたものだが、実は私も含め、この加工がされていることによる手袋の蒸れを気にする人は結構いる。
そのため、耐久性は背面のり加工されたものよりは若干劣るが「甲抜き加工」といって手の甲側を糊加工せずむき出しの繊維のままにした「ガッツ」(#123)という製品も出していて、私が今でも最も多く使用しているゴム張り手袋がこれだ。

アトム「ガッツ」01

「ガッツ」(#123)は前面側に「日本製」と印刷している。

アトム「ガッツ」02

確かに私が長年アトム製品を見続けてきた中でも「ガッツ」で海外製造されたものを見たことは一度もないので、このモデルだけは100%国内工場で作っているのかもしれない。

アトム「ガッツ」03

上の写真で、手の甲側が糊加工されていないのがわかると思う。
実はこの差は結構ある(私の個人的な感想かも知れぬが)。

アトム「ガッツ」04
アトム「ガッツ」05

ゴム張り部分の仕様は前述した2タイプと近い。
凹凸のパターンやゴムの厚さなどに若干の違いもあるが、私としてはそれらの具合も含めて、最も好きなゴム張り手袋なのだ。

ちなみにこれらの高品質なゴム張り手袋を全てではなくも、国内工場で頑張って生産してくれているアトム株式会社だが、広島県にある会社でありながら戦後(昭和45年)になってから「アトム」という社名に変えてしまうところに、以前から大変興味があった。
現在の一般の浅い感覚では、広島県にある企業なら「アトム」という名は避けるようなイメージがあるだろうが、やはり原爆を直に体験した世代の方が、兵器としての核と、平和利用すれば他に比較しうるものがないほどの強大なエネルギーを持つ原子力を、ちゃんと区別して理解していたという証左だと思う。
今の「原発いらない!」と太鼓を叩いて踊る馬鹿や太郎は少し、このあたりを見習った方が良いだろう。

それはともかく、アトム株式会社も、前々回に紹介した福徳産業株式会社も同じ広島県の企業である。
そして以前(株)ムーンスター(月星化成)について紹介した際にチラッと名を出したMade in JAPANの靴メーカー「スピングルムーヴ」も広島県内の企業で、いわばゴムで凄い企業が広島県に集中してあるのは、実はちゃんと歴史的に意味のあることなのだ。

これは江戸時代から「広島針」と言って、広島が針の一大産地であったことが理由である。
こんな話を書くと、また「何をバカなことを」と言われそうだが、2ちゃんねる的に簡潔に表現すれば

江戸時代から広島は「針」の一大産地
  ↓
明治には既に機械化による大量生産に成功
  ↓
その頃から針の世界的な消費地は支那(CHINA)
  ↓
第一次世界大戦で
支那はそれまでヨーロッパから輸入していた針を
日本の広島から輸入するようになる
  ↓
支那のみでなく東南アジアへも広島針は輸出拡大
  ↓
広島針を輸出する船が空荷で戻ってくるわけはなく
東南アジアの当時の主な産品であった天然の生ゴムを
帰りに積んで広島へ持って来た
  ↓
広島でゴム加工関連企業が育つ下地が出来た ←今、ココ

と言った流れだ。

うんちくはともかく、日本製のゴム張り手袋を買って応援しましょう!

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