生活に思想を

生活に思想を
本来ならブログ開設時の最初に掲載すべきだったことですが、このブログの開設意図の全てはここに集約されます。

身近な人を愛せない人間は、結局誰をも愛せない

というのは真実で、であるからこそ、日本人はまず日本製品を買うべきなのです。
私は「価格破壊」という言葉が一般化した頃から強い危惧を抱いていました。
それは、私自身がものづくりの現場で日々働き、生活していることと無縁でないのは事実です。当時から極端に顕著になり始めていた円高と、日本の業界内に熱病のように蔓延し始めていた生産現場の中国への移転がその背景にあり、モノの値段が異常な状況になり始めていたのです。
つまり、「誰がどう考えてもこんな値段で作れるわけがない」品物が店頭に溢れ、消費者はその異常さを感じながらも「安ければ安い方が良い」と嬉々としてそれを受け入れていったのです。そしてかのユニクロが社会現象となった頃には「安くて良いものが最高の商品」という意識は末端まで浸透し、日本でものを作る現場で働く人間には「安くなければ売れない」「良くて高いのは当たり前で努力不足」「そこそこ良くて価格の安い海外製品しかこれからは売れない」という言葉が、まるで呪詛のように日々、あらゆる方面から投げかけられたのです。
こういう言葉に生産者(経営者)の中からは、甘言に騙されて工場を中国に移転してしまう者も次々と現れ(こういった人々が後にどうなったのかは皆様ご承知の通り)国内のものづくりの現場は疲弊の一途を辿ることになったのです。

わたしがものづくり・・・特に伝統技術を基軸とした・・・の現場にいて、最も心配していたのは、生産現場の技術流出と共に、一時でも仕事が途絶えると、再起するのに数倍の労力が必要になるということでした。ものづくりは道具(設備)だけの問題ではなく、どちらかというとそれを使い動かす人間の能力、経験、縦横の人間のつながりによるチーム力というものの方が圧倒的に大きいのです。そして、これは一度でも工場を閉鎖してしまったり、それによって人間がバラバラになってしまったりすると、元の状態に戻すのは至難の事となるのです。
そして、そのおそれは現実のものとなってしまいました。業界によってはほぼ壊滅に近いほど国内に生産現場がなくなってしまったものが沢山あります。そして、そういうものは、いざ日本製のものが欲しくても入手は出来ません。
一見、関係ない話をするようですが、私の住む地方都市では映画館の経営が成り立たず、この10年ほどの間に昔からある映画館の9割以上がなくなりました。その原因は「レジャーの多様化」「ビデオ視聴が一般的になり映画館で映画を見なくてもよいという意識が一般化した」とか「映画館の料金が高くなりすぎてビデオとの差別化が出来なくなった」などもっともらしい理由はいくつもあり、それはそれで一つの流れであることは否めません。ですが、いざ昔からあった映画館がなくなるというニュースが流れると町の人々の中から「映画館は一つの文化であり、これをなくすのは間違いだ」「なくなってしまうのは寂しい」などという声が上がり始め、映画館存続に向けた署名活動まで起こるようになったのです。これを一種の美談として採り上げるマスコミもあったのですが、正直なところ、私はこういう市民の声や運動は一種の偽善だと思っていました。映画館から客足が遠のいていたことなど、この地域では既にもう20年以上も前から誰の目にも明らかになっていたことです。しかし、前述のような声を上げたり署名した人々の中のどれほどの人々が、本当に積極的に映画館に足を運び、また、映画館に人が来るように努力していたというのでしょうか。私はこういう無責任かつ安易な市民の声、感情というものが大嫌いです。それを無責任に採り上げるマスコミも大嫌いです。
この映画館の話と、現在の日本製品を取り巻く現状には近いものがあると私は考えています。閉館した映画館だって、閉館せざるを得ない状況に追い込まれたから閉館してしまったのであり、その責任は映画館あるいは映画業界だけにあるとは思えません。よく「市民」とか「消費者」と言う言葉を自称する人々の中には、権利ばかりは声高に主張するが自己の「責任」や「義務」には背を向け知らん顔をする者が多いように思っているのは私だけでしょうか?
自分の財布から出すお金を1円でも少なくすることに必死になるのなら、尚更その1円の使いみちには「如何に意味がある使い方なのか」を熟慮すべきなのです。
まずは「良いのは分かっているがお金が無い」という言い訳をすることをやめましょう。
そして
一人の人間である以上、生活には思想を持ちましょう。
自己の利益ばかりを考えず、自分の行動の先にあるものを考えましょう。
それが、このブログを作るきっかけとなっています。
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