常用ショルダーバッグ『Stitch-on』

私が日頃愛用している国産品の一つを紹介したい。
我が国における鞄の歴史的一大生産である兵庫県豊岡市。
ここで全国的にも名の知れたブランドを取扱う衣川産業株式会社にて販売している「Stitch-on」(ステッチオン)のショルダーバッグである。
Stitch-on全体
Stitch-onタグ本体付
Stitch-onタグ01
Stitch-onタグ2
【寸法】横幅26×高さ20×奥行12cm
【素材】8号(10号)帆布/バケッタレザー
ちなみにファスナーはYKKのメタルファスナーを使用している。こういう細かいところへのこだわりは心憎い。
Stitch-onファスナーアップ
「Stitch-on」と聞いても「?」の人が圧倒的だろう。実のところマイナーブランドである。しかしこの世界では結構名の知れた職人の手によって一個一個、地道に作られている。だから生産数が少ない。需要が爆発的にあったとしてもそんなには作れない。しかし、そこには本来の我が国のものづくりの良さが製品に端的に表れている。そのあたりはブランドコンセプトにも明確に打ち出されている。

「Stitch-on」
物づくりの原点、商品のあり方を問いただすことをテーマにスタートさせたブランド
「大量生産・大量消費を至上主義とした過去の概念と習慣を捨て去り、多様化するライフスタイルの中からニーズを掘り起こし、今の時代に人々が本当に求める良質でオリジナリティーのある商品をユーザーの視点に立ち返って提供したい」


ちなみに「Stitch-on」の製品を製作しているのは兵庫県豊岡市にて先代から鞄造りを手がけ、既に40年以上のキャリアを持つ羽倉仁郎(はくら じろう)氏とご子息の嘉徳氏。嘉徳氏はご自身でも株式会社羽倉の代表を務め、独自ブランドも展開している。

現在の我が国で、日常生活に用いる国産品を求めようと探してみると、意外とこの鞄(かばん)という分野にはまだまだ希望が持てる状況であることに気付くだろう。製品分野によっては悲観的にならざるを得ないくらいに「日本製」が入手出来ないものもあるが、こと鞄に於いてはまだまだ圧倒的に素晴らしいメーカーが国内で頑張ってくれている。兵庫県豊岡市のように産地として頑張ってくれている所は最も心強いが、それ以外にも「PORTER」で有名な吉田カバンや土屋カバンなどの東京勢も意気揚々としているし、他にも有力な才能ある作り手が沢山いるこの鞄業界を見ていると私などは本当に元気を与えてもらえるのだ。

ところで、この「Stitch-on」のショルダーバッグについて。
仕事柄、私は日常の業務ではスーツを着ない。いわゆる普段着である。更に仕事の内容で突然、車で外出しなくてはならない事が多々ある。財布、運転免許証、名刺入れ、携帯電話、手帳、計算機、メジャーやカッター等の道具、デジカメ、USBメモリー等。社外の仕事で必要になるものは状況によって多少変わるが、前述の物は大抵の場面で必要となるために常に持って歩く必要があるのだ。が、このうちのどれかを服のポケットに入れたり机の上に出しておいたりすると大変な目にあう。パッと飛び出したものの、出先についてから、必要なものを入れた上着を「暑いから」と言って脱いでいたのに気が付いて蒼ざめたり、机の上に置き忘れて出たことを思い出して愕然となったりする。要は私の注意力が足りないだけなのであるが、そういう凡ミスを防ぐために私なりに工夫して、これらのほぼ毎度必要なもの一切は、必ずこのショルダーバッグに入れるようにしているのだ。つまりこれ一つを持って出れば間違いない。そして中のものを出したら必ずこのバッグに戻す。この原則だけを厳守すれば日頃の凡ミスは決定的に少なくなる。このようにしているといつでもこのバッグだけは必ず持って歩く習慣がつくので、あえて持って出なかった時でも何かとてつもなく不安になるくらいである。
それはともかく、常日頃持ち歩くためには必要な条件がいくつかある。

1. 必要なもの全てがちょうど収まり、大きすぎず小さすぎないこと。
2. 肩掛け出来ること(両手が空くのは非常に重要)。
3. どんな場に持って行っても不謹慎な(あるいは場違いな)印象を相手に与えない程度に地味であること。
4. (上とも関係するが)安っぽい印象を与えないこと。
5. (同じく)流行に左右されないデザインであること。
6. 防水性があること。
7. 丈夫であること。
8. 愛着がわくものであること。

以上の条件を全て満たした鞄は簡単に見つかりそうでなかなかない。私にとって上記全てを満たしているのが、この「Stitch-on」のショルダーであったということだ。ちなみに上記3について、ベージュ色ではカジュアル過ぎると思われるような場に出る事が最初から分かっている時用に、全く同型の黒のタイプも私は持っている(入手出来なくなった時の予備の意味合いもあり)。6と7においては、バリスティックナイロンのような素材もあり得るのだろうが、8の要素を考慮するなら、ここは何より帆布(ハンプ、canvas)を推したい。知っている人には敢えて説明も要らないだろうが、実は帆布製カバンこそMade in Japanの真骨頂と言ってもよいのだ。世界に誇る帆布製カバンの多くが日本製であることは今も昔も変わらない。帆布カバンといえば京都の一澤帆布店が昔から有名。相続を巡って、まるでアディダスとプーマの争いのようなことになってしまっていたことに残念な想いを抱いていたファンも多いことだろうが、それはともかく、素材としての良質な帆布と、それをカバンに加工する技術に於いて我が国が世界一であるのは誰の疑いも無いところである。紛れもない天然素材であることから、使い込むことによって生まれる味わいは帆布でしか出せない独特のもの。パラフィン、オイル等の撥水加工も実用上充分。意外なほどの軽さ等、カバンの素材としてピカイチである。既に死語かもしれないが帆布のことを「ズック」とも呼んだ。そして、帆布カバンといえば私の中学生の頃、男子カバンは帆布の肩掛けだったのを思い出す。いわゆる金八先生・桜中学校の加藤優(かとう まさる)が肩から掛けていたアレである。新入生はたすき掛けにしてカバン本体をお尻の方へ持っていくのが正しいとされたが、ちょっと性格がすれてくると前に持って来るようになる。歩きにくいことこの上ないが、それがカッコイイような気分になっていたのだから、自分の事ながら今思い出すと笑える。中学校3年間で酷使してもなんともなかった。新入生みたいなキレイなカバンが恥ずかしくて3年間で一度も洗わなかった(!)し、時にはわざと手垢にまみれたように見せようとも画策したが、そんな汚れやほつれが様(さま)になってくるのだから、帆布の良さはこんなところで記憶にしっかり刻まれていたのかもしれない。
今でも帆布カバンを肩から掛けると、こう叫びたくなるではないか。
「俺には英語や数学より家賃と飯(めし)だよ、飯!」
( ↑ 何のことかわからん世代はググってくれ)
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